重度の認知症の祖父を外に連れ出した話。
前回までの話はこちら↓
gakkusei0415chang.hatenablog.com
二日目にしてやっとカラオケに連れ出した祖父ですが、効果はいかに!?
目次
認知症にカラオケがおすすめな理由
カラオケに着くと、さっそく意気揚々と十八番「君こそわが命」を歌いだすじいじ。
しかし!歌った直後、すぐに歌ったことも忘れてしまいます。
なぜなら祖父の記憶は五分間しか持たないから。
それならば!!
何度でも歌いたいだけ歌ってもらおう。
「もう歌ったでしょ」はNG。
2曲くらい「君こそ」を連続で入れ、合間に各々の歌いたい曲を入れます。私はAimerの蝶々結びとBack numberの高嶺の花子さんをかましてました。
こうして5分おきに、「君こそわが命」を15曲以上歌った祖父は、歌ったことを忘れたまま意気揚々と帰っていきましたとさ。
他の認知症のケースを知らないが、個人的にカラオケはおすすめです。
もちろん本人の趣味や関心のあることが他にあるならばそれがいいかもしれませんが
歌うことで記憶力を司る前頭葉が刺激されるのは勿論、本
人は何度歌っても飽きないため、素晴らしい運動になる!
としみじみ。歌っているときの祖父の顔は、テレビをぼーっと見ている時のそれとはかけ離れていて、
「別人!?」
と思うほど凛としてました。
後日談
帰省後電話したところ、なんと
あれだけ頑固な祖父が自分から近所のスーパーに出かけたと。
いやぁ、もうこれだけで奇跡です。
そしてカラオケ後、最後の帰り際に祖父を玄関まで支えながら連れていく時
祖父がポツリと
「ごめんな」
と言い、それを聞いた私はなんでか無償に泣きたくなった。
いままでいくら祖父に忘れられようと、そりゃちょっとは悲しいですが
泣きたいほどではありませんでした。なんなんですかね
ふと、
一度会ったことは忘れないもんさ
思い出せないだけで
千と千尋の神隠しに出てくる銭婆の台詞が浮かんできました。
認知症になったとしても、どこかでは覚えてくれてるといいですね。